ハッカーが使う、認証バイパスとは。ログイン画面をすり抜ける攻撃手法とその防ぎ方

ペネトレーションテスト&バグバウンティ

みなさんがネットでアカウントにログインするとき、パスワードを入力して本人確認をしますよね。この仕組みを「認証(にんしょう)」といいます。
でももし、パスワードを入力しなくてもログインできてしまったら・・・
それが「認証バイパス」という危ない攻撃です。
※イメージです。

認証バイパスとは

通常、ユーザーはログイン処理を通らないとサービスにアクセスできない。
認証バイパスとは、「ログインチェックをすり抜けて」アクセスできてしまう状態。
つまり、「なりすまし」「無断侵入」が可能になってしまう危険な脆弱性です。
 
 

認証の仕組みと役割

認証とは「ユーザーが正しい本人か」を確認する仕組みです。
パスワード・トークン・セッションID・JWTなどが使われます。
バイパスされると、これらの認証ステップが無意味になります。
 
 

認証バイパスの主な原因とは

原因 内容例
論理ミス if (is_admin = true) ← 代入ミス
入力の検証不備 password’ OR '1’=’1 のようなSQLインジェクション
セッション管理ミス ログインせずにCookieだけ設定で入れる
URLアクセス制限ミス /admin/dashboard に誰でも入れてしまう
 
 

よくある攻撃例とCコード/Web例

・Webでの例(SQL Injection)
SELECT * FROM users WHERE username=’$user’ AND password=’$pass’;
入力: user = admin’ — → パスワードチェックが無効になる。
※・・・WHERE username=’admin’ –' AND password=’xxxxx’;
SQLでは-- は「コメントアウト」の記号で、--以下はコメントなります。
  
・C言語での認証ロジックミス
if (authenticated = 1) { access_granted(); } // ← 代入ミスで常に通過!
※C言語では、=(代入)と ==(比較)をまちがえると、セキュリティ上とても危険なバグになります。
  
  

認証バイパスによって何ができるのか

・管理者画面にログインせずアクセス。
・他人のアカウントで操作。
・データの改ざん・削除・乗っ取り。
・内部システムの探索や横移動。
  
  

ハッカーが使う、認証バイパスとは。ログイン画面をすり抜ける攻撃手法とその防ぎ方のまとめ

認証バイパスとは、ログインなどの本人確認をすり抜けて、本来アクセスできない場所に入り込む攻撃手法です。
原因には、プログラムのミス(例:=と==の書き間違い)、入力チェックの甘さ(例:SQLインジェクション)、アクセス制限の不備などがあります。
攻撃者はこれらのすき間を突いて、他人のアカウントに侵入したり、管理者権限を得たりします。
防ぐためには、ログイン処理を正しく書くこと、入力値の検証をきちんと行うこと、アクセス制限を明確にすることが重要です。
認証はセキュリティの入口。バイパスを許さない設計が、安全なシステムにつながります。