脆弱な「やられサーバ」を構築してハッカー気分

ホワイトハッカーの知識やられサーバ,仮想環境,座学

あなたは、パソコンに「Kali Linux」を入れましたか?

このサイトでも
「ノートパソコンにKali Linux 2021.1をインストール(手順)」
https://whitemarkn.com/learning-ethical-hacker/kalilinux-install/
「ディスクトップパソコンに仮想環境を作成してKali Linux 2021.1をインストール(手順)」
https://whitemarkn.com/learning-ethical-hacker/virtualbox-kalilinux/

などをご紹介させていただき、たくさんの方に環境を構築していただきました。

Kali Linuxの準備が出来たら次にすることは、脆弱なコンピュータにアタックすることですよね。
ホワイトハッカー(Ethical Hacking)ともあろう方が、まさか他人のサイトにアタックすることは無いと思います。

[word_balloon id="1″ size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="talk" balloon_shadow="true"]私も自分のLANにつながっているwindowsパソコンや、テスト用のドメインを取得しサイトを作成して、公開されている情報の取得(Reconnaissance(偵察)フェーズには使いましたが、バスワードの解析などScannning(情報の走査)フェーズになると攻撃になるため、今の環境では難しいことがわかりました。

このままではブラックハットハッカーになって捕まってしまいます。[/word_balloon]

現在、自分のディスクトップパソコンに仮想環境を作成してKali Linux 2022.3をインストールしているので、新たな仮想環境を作成して、そこに攻撃対象サイトを作成すれば自分のLAN内でおもいっきり攻撃ができるのではないかと方法を探すと・・・ありました。

「Metasploitable2」でやられサーバが仮想環境で作成ができて、脆弱性を突くKali Linuxのツールが使えるのです。

Metasploitable2を使っての「やられサーバ」の構築

Metasploitable2とは

Metasploitable2とは、仮想環境を利用したMetasploitによるペネトレーションの練習やテストに使用するための脆弱性を持たせたサーバのことです。

「やられサーバ」の構築の前提条件

ディスクトップパソコンに仮想環境である「Oracle VM VirtualBox」がインストールされていること。インストールの方法については「ディスクトップパソコンに仮想環境を作成してKali Linux 2021.1をインストール(手順)」が参考になると思います。

Metasploitable2のダウンロード

(1)配布先 SOURCEFORGEにアクセスします。
https://sourceforge.net/projects/metasploitable/

(2)「Download」ボタンを押下して、metasploitable-linux-2.0.0.zipファイルをダウンロードします。

(3)ダウンロードした「metasploitable-linux-2.0.0.zip」ファイルを好きな場所に解凍します。

「やられサーバ」の構築

(1)「Oracle VM VirtualBox」を起動します。

(2)「新規(N)」ボタンをクリックします。

(3)「名前とオペレーティングシステム」画面で以下の項目を設定します。
・名前:Metasploitable2-001
(※やられサーバをたくさん作成する可能性があるため添え字をつけています。)
・マシンフェルダー:デフォルト値
・タイプ:Linux
・バージョン:Debian(64-bit)

値を設定後、「次へ(N)」ボタンを押下します。

 

(4)「メモリーサイズ」画面でメモリーサイズを「1024MB(デフォルト値)」に設定して「次へ(N)」ボタンを押下します。

 

(5)「仮想マシンの作成」画面で「すでにある仮想ハードディスクファイルを使用する」を設定します。

そして、上図赤丸の「ホルダー」のアイコンをクリックして「メディア」画面を表示します。

画面左上の「追加(A)」ボタンを押下します。

先ほど(3)で解凍した「metasploitable-linux-2.0.0.zip」ファイルより、「Metasploitable.vmdk」を選択して「開く(O)」ボタンを押下します。

「メディア」画面に戻りましたら「metasploitable.vmdk」を選択して「選択」ボタンを押下します。

「ハードディスク」の画面に戻り、「作成」ボタンを押下します。

 

(6)ネットワークの設定(仮想LANアダプターの設定)
ネットワークをクリックして「ネットワーク」画面を表示します。

 

「ネットワークアダプターを有効化」の「割り当て」を「NAT」から「ホストオンリーアダプター」に変更して「OK」ボタンを押下します。

これで「やられサーバ」の構築が完了しました。

 

「やられサーバ」の起動

画面のツールから「Metasploitable2-001」を選択して「表示(H)」ボタンを押下します。

「Metasploitable012」のログイン画面が表示されます。

「やられサーバ」のログイン

ユーザー名:msfadmin
パスワード:msfadmin
です。

 

「やられサーバ」のIPアドレスの設定

ようやく「やられサーバ」の構築が終了しましたが、Kali Linuxから攻撃するためには「IPアドレス」が必要になります。

※ここで重要なポイントがあります。
「IPアドレス」を変更するためにはネットワークに関連するファイルを変更する必要があります。
当たり前ですがエディターを使って変更するわけでありますが、UNIX系のエディターは「VIエディター」を使います。この「VIエディター」の操作がクセモノなのです。

[word_balloon id="1″ size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="talk" balloon_shadow="true"]私も30年ぐらい前に(^^;;公共システムをUNIXで開発していましたが、その頃から「VIエディター」は何も変わってない様子です。今必死で思い出しています。[/word_balloon]

でもね、その前に「VIエディター」を使うのであればキーボードの設定を変える必要があるのです。
現在「やられサーバ」を構築したばかりなので、キーボードは英語キーボードになっています。
英語キーボートと日本語キーボードは若干レイアウトが異なるため、「VIエディター」を使うためには絶対に日本語キーボードのレイアウトにする必要があります。

日本語キーボードの変更方法

msfadmin@metasploitable:~$ sudo su
[sudo] password for msfadmin: (パスワード"msfadmin"を入力します。)
root@@metasploitable:/home/msfadmin# loadkeys jp
Loading /usr/share/keymaps/jp.map.bz2

「VIエディター」で使えるキーボードになりました。
(※確認として、キーボードで「:」押下してディスプレイに「:」が表示できればOKです。)

次に「VIエディター」の使い方ですが以下の動画を見て下さい。

IPアドレスの設定

「VIエディター」で"interface"のファイルを開きます。

root@@metasploitable:/home/msfadmin# vi /etc/network/interface

「VIエディター」で開いたファイル

# This file describes the network interfaces available on your system
# and how to activate them. For more information, see interfaces(5).

# The loopback network interface
auto lo
iface lo inet loopback

# The primary network interface
allow-hotplug eth0
iface eth0 inet dhcp

以下のように変更します。(10行目以降を修正/追加しています。)

# This file describes the network interfaces available on your system
# and how to activate them. For more information, see interfaces(5).

# The loopback network interface
auto lo
iface lo inet loopback

# The primary network interface
allow-hotplug eth0
iface eth0 inet static
address 10.0.0.10
netmask 255.255.255.0
gateway 10.0.0.1

「やられサーバ」を構築のまとめ

いかがでしたか。
なかなか大変な作業でしたが、理解できれば「仮想環境」ですぐ「やられサーバー」が作成できますね。
攻撃して設定がおかしくなっても、新たに「やられサーバー」作るだけですから。

これで、気合を入れてハッキングのテストができるようになりました。