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ハッカーの視点から学ぶペネトレーションテスト(2) ペネトレーションテストの種類

ペネトレーションテスト&バグバウンティペネトレーションテスト

ハッカーの視点から学ぶペネトレーションテストの第二回目は「ペネトレーションテストの種類」です。

ハッカーの視点から学ぶペネトレーションテストの構成について

この「ハッカーの視点から学ぶペネトレーションテスト」の記事は、長編になるため、以下のように記事を分割して構成しています。
 
2.ペネトレーションテストの種類 (←この記事です。)
 
順次、記事をリリース致します。
 
 

ペネトレーションテストの種類とは

ペネトレーションテストの種類は組織のセキュリティポスト向上のために活用され、リスクの特定、セキュリティ強化、セキュリティ意識の向上に役立ちます。
ペネトレーションテストには主に以下のテストの種類があります。
 
・ブラックボックステスト
外部の視点から攻撃を模倣し、内部の情報を知らない状態で脆弱性を特定します。
・ホワイトボックステスト
内部情報にアクセスし、システム内の脆弱性を詳細に特定します。
 
・外部ペネトレーションテスト
インターネットを通じてアクセス可能なリソースに焦点を当てます。
・内部ペネトレーションテスト
組織の内部からの攻撃を模倣し、社内ネットワークのセキュリティを評価します。
 

ブラックボックステスト vs. ホワイトボックステスト

ペネトレーションテストには、ブラックボックステストとホワイトボックステストという2つの主要な種類があります。
どちらのテスト方法も一定の利点と制限があります。選択する方法は、テストの目的、組織の要件、および対象システムの性質に応じて決定されるべきです。一般的には、ブラックボックステストとホワイトボックステストを組み合わせて総合的なセキュリティテスト戦略を策定することが効果的です。
以下にそれぞれの種類について詳細を説明します。
 
(1) ブラックボックステスト
ブラックボックスの定義/特徴/利点/欠点は以下の通り。
 
①定義
・ブラックボックステストは、セキュリティテスターが対象システムやアプリケーションの内部構造やコードの詳細を知らない状態で実施されるテストです。テスターは外部からシステムにアクセスし、攻撃者の視点からテストを行います。
 
②特徴
・テスターは対象の内部情報にアクセスできないため、テスト対象の脆弱性を見つけるためにより現実的な攻撃シナリオを模倣できます。
・テスターは対象の外部からシステムにアクセスし、通常のユーザーや攻撃者と同じ方法でテストを行います。
・テスト対象のシステムがどのように応答するかを評価し、脆弱性を特定します。
 
③利点
・外部からの視点を模倣するため、実際の攻撃に近いテストが可能です。
・内部情報に依存しないため、独立した第三者がテストを実施できます。
 
④欠点
・内部情報が不足しているため、内部の脆弱性や構造に対するテストが制限されることがあります。
・テストによっては、完全な脆弱性の特定が難しい場合があります。
 
(2) ホワイトボックステスト
ホワイトボックスの定義/特徴/利点/欠点は以下の通り。
 
①定義
・ホワイトボックステストは、テスターが対象システムやアプリケーションの内部情報、コード、アーキテクチャにアクセスできる状態で実施されるテストです。テスターは内部の詳細情報を持ち、テスト対象のシステムをより深く分析します。
 
②特徴
・テスターはソースコードや設計文書、内部構造にアクセスできるため、脆弱性の特定と理解が容易です。
・内部情報を活用して、複雑な攻撃シナリオやテストケースを設計できます。
 
③利点
・システムの内部情報にアクセスできるため、深い脆弱性分析が可能です。
・ソフトウェアの設計段階からセキュリティを組み込むため、セキュアなコードの開発に寄与します。
④欠点
・内部情報が必要であるため、外部の第三者がテストを行うことが難しい場合があります。
・テスターが内部情報に依存しすぎると、実際の攻撃からの視点を失う可能性があります。
 
 

外部ペネトレーションテスト vs. 内部ペネトレーションテスト

ペネトレーションテストには、外部ペネトレーションテストと内部ペネトレーションテストという2つの主要な種類があります。
 
外部ペネトレーションテストと内部ペネトレーションテストは、組織のセキュリティテスト戦略の一部として組み合わせて使用され、内部および外部からの脅威に対する包括的なセキュリティ対策を確保します。
 
以下にそれぞれの種類について詳細を説明します。
 
(1) 外部ペネトレーションテスト
外部ペネトレーションテストの定義/特徴/利点/欠点は以下の通り。
 
①定義
・外部ペネトレーションテストは、外部からの攻撃者の視点で、組織の外部からシステムやネットワークにアクセスし、脆弱性を特定するテストです。通常、インターネットを経由して対象システムにアクセスを試みます。
 
②特徴
・テスターは、外部からアクセス可能なエントリーポイントを利用して、システムに侵入しようとします。
テストは、組織の外部からアクセスできるシステムやリソースを対象とします。
攻撃シナリオは、一般的にハッカーが実行する可能性のある攻撃を模倣します。
 
③利点
・実際の外部攻撃からの視点でテストを実施するため、リアルなセキュリティの脆弱性を特定できます。外部からの攻撃が最も一般的な脅威であるため、セキュリティの向上に重要です。
 
④欠点
・内部システムやネットワークにアクセスできないため、内部のセキュリティの評価が制限されることがあります。
 
(2) 内部ペネトレーションテスト
内部ペネトレーションテストの定義/特徴/利点/欠点は以下の通り。
 
①定義
・内部ペネトレーションテストは、組織の内部からの攻撃者の視点で、組織の内部ネットワークやシステムにアクセスし、脆弱性を特定するテストです。テスターは組織内部の位置から攻撃を試みます。
 
②特徴
・テスターは、組織内のネットワークやシステムにアクセスできるため、内部のセキュリティポストやデータへのアクセスを模倣します。
攻撃シナリオは、組織の従業員や内部ネットワークにアクセスできる悪意のあるユーザーを模倣します。
 
③利点
・内部セキュリティの評価を行うことができ、社内の脆弱性を特定し、内部からの攻撃を防ぐための対策を講じるのに役立ちます。
・フィッシング攻撃や内部の悪意ある行動など、内部脅威に対するセキュリティ対策の評価に適しています。
 
④欠点
・外部からの攻撃や脅威を対象としないため、内部ペネトレーションテストだけでセキュリティ全体を評価するのは不十分です。
 
 

ペネトレーションテストの種類のまとめ

ペネトレーションテストには、ブラックボックステスト、ホワイトボックステスト、外部ペネトレーションテスト、内部ペネトレーションテストがありました。
各々のテストには利点、欠点があります。欠点はブラックハッカーの攻撃ポイントになる可能性があります。テストとして欠点を補う方法を考えなければなりません。
これらのテストは組織のセキュリティ向上のために活用され、リスクの特定、セキュリティ強化の向上に役立ちます。